家庭教師をしていて得た「気づき」

こんにちは。田原です。

僕は、大学生時代にいろいろなアルバイトをしました。

建築現場でヘルメットと安全帯をつけて電気工事をしたり、

東京タワーの屋上でとうもろこしを売ったり、

2tトラックを運転して、ドライアイスを配達したり、

いろいろなことをやりましたが、4年間継続してやっていたのは、
家庭教師でした。

8人の中学生や高校生に、主に数学を教えました。

今日は、そのときに得た気づきについて書きます。

●家庭教師をしていて得た「気づき」

僕が中学3年生のB君の家庭教師をやることになったのは、銀行に貼った張り紙を見て、僕のところにB君のお母さんが電話してくれたからです。

訪問すると、B君は、少し古めかしい大きな一軒家に住んでいました。
昔からそのあたりに住んでいる地主・・といった様子でした。

応接間に通されて、B君と、お母さんと話をしました。

B君のお母さんは、

「この子は、家庭教師の先生となかなかうまくやれないんですよ。」

「前に東大の先生に来てもらったんですけど、結局駄目で・・・。」

と言っていました。

B君は、黙って、僕を値踏みするような目で見ていました。

その場は、バイト代や時間などを確認して、翌週からはじめることにしました。

翌週、B君の家に行くと、B君は、自分が解けないという問題を持ってきて、

「どうやって解くのか教えてください」

と言ってきました。

図形の難しい問題でした。

「試されているな?」

と感じたので、信頼を獲得するためには、実力を示す必要があると思い、説明しながら解き始めました。

僕が解き始めたとき、B君は、他の生徒があまり見せない反応を示しました。

それは、僕が問題を解くために試行錯誤すると、そこにいちいちコメントするのです。

「そうやって考えるんですか?」
「それは、いつもやるんですか?」

というように。

おそらく、今までB君と相性が悪かった家庭教師は、B君のこの疑問に答えずに、

「やり方を覚えればいいんだ」
「まずは、問題を解けることが大事だ」

というように回答してしまったんだろうなと思いました。

でも、僕から見ると、B君の疑問は、自力で解けるようになるために、とても大切な疑問だと思いました。

そこで、僕は、問題を解くのをやめて、

「はじめて見る問題を解けるようになるためには、どういう勉強をすればいいと思う?」

という話を始めました。

そして、中学数学の難問を解くための解法体系を一緒に作っていこうということを話し合いました。

それから、

解答ではなく、解答を生み出す思考に注目するのは、とてもすばらしいことだとB君の態度を褒めました。

B君にとっては、はじめて納得が行く形で、自分の疑問に答えてくれ、また、たぶん、他の家庭教師が煙たがっていたであろう態度を、僕が肯定したことで、僕たちの関係はとても良好になり、信頼を獲得することができました。

それからは、B君は、すごい勢いで数学に取り組むようになり、本人からの強い要望で、家庭教師の回数を週に1回から2回、または、3回に増やしました。

受験前になるころには、

「先生、高校なんか、どうせどこかは受かるんだから、
 高校の数学を教えてください。」

と言い始め、中学の範囲を越えてどんどん進めることになりました。

「物理も教えてください」

と言われたので、物理も教えました。

B君が知識を吸収する様子は、「砂が水を吸い込むように・・」
という表現がぴったりでした。


B君が感じていたのは、

「解答を見ると分かるけど、自分で解けない」というストレス

でした。

だから、それを解決する方法を具体的に示し、成果が出たことで、勉強にやる気が出て、好循環が生まれたのです。

問題集の解答を見ながら、解答をインプットする勉強は、誰もがやっています。

そこで蓄積したものを、新しい問題にどうやってアウトプットするのかという部分で躓いている人が多いのです。

この段階の人に、

「解法体系を作ってみよう!」

というアドバイスは、とても効果的です。

そして、その作業は、クリエイティブで楽しいものです。

B君は、その楽しさにすっかりはまってしまい、成績をどんどん伸ばしていったのです。

僕が、B君から得た気づきは、

「解法体系を作る作業は、クリエイティブで楽しい!」

ということでした。


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